フードバンクとは

賞味期限内でまだ食べられるにも関わらず、印字ミスや箱が壊れたり、規格外として販売できない食品を、企業・農家・個人などから受け取り、食べ物に困っている人や福祉施設に無償で提供する活動です。

日本では、品質や安全性に問題がないのに処分されている食品が年間約643万トン(2016年度)もあります。

フードバンクは、この社会にあふれる「もったいない」を「ありがとう」に変える仕組みとして、あるいは新しい社会システムの構築、企業の社会貢献度を手助けする活動です。食品ロスを削減し、社会全体で支え合う社会の実現のために必要な取組みであります。

私たちの身近にある貧困

食べ物に困っているというと私たちは先ず発展途上国の子ども達を思い浮かべるのではないでしょうか。しかし、厚生労働省が行った「平成25年国民生活基礎調査」により、平成24年時点における日本の子どもの相対的貧困率は16.3%に上ることが明らかになりました。これは、日本の子どものおよそ6人に1人が貧困状態に置かれていることを示しています。

相対的貧困率は貧困線以下の世帯を指し、平成24年の貧困線は122万円でした。家賃や水光熱費を含む1か月の生活費が約10万円ということになります。特に、ひとり親家庭に限ってみると、貧困率は54.6%と半数を超えています。NHKがフードバンク山梨らと行った調査では1人当たりの1日の食費が300円に満たない家庭が半数近くあり、8割以上がおかずを十分に確保できず子供に栄養不足などが見られるといいます。

廃棄される食品

様々な理由で廃棄される食品(福岡県内の事例より)
3分の1ルールの問題
まだ食べられる食品であっても、以下のような様々な理由により、多くの食品が捨てられています。福岡県では年間に25万トン(事業系12万トン、家庭系13万トン)の食品ロスが発生しているとされています。
食品流通業界の商習慣で、賞味期限の3分の1が小売店への納品期限、3分の2が小売店での販売期限とされています。期限を超過した商品は返品されるか多くは廃棄されてしまいます。
業界団体はこの商習慣の見直しに取り組み始めていますが、消費者である私たちも、過剰に新しいものを求めるにないか省みる必要がありそうです。